[コメント] カールじいさんの空飛ぶ家(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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何を隠そう、僕はこの「童心に戻る」ということが全くできない欠陥人間なのです。それは僕のはるか昔の幼児のときからそうであった。僕の子供時代にはテレビで毎週ディズニーランドというアメリカの番組をやっていた。「おとぎの国」「冒険の国」「開拓の国」「未来の国」という4つの区分けがあり、上映回数も視聴者の関心も前者に集中していた。ところが僕は前者が嫌いで、後者を好んでいた。
だから当然アニメも見ないまま(漫画は逆にひとの10倍は読んでいた。)の寂しい少年生活を送っていた。そしてそのまま即、厭な大人になっているのだ。こういう僕がアニメのことを批評なんかできるわけがないと思っているから当然あまり見もしていないのだが、今回たまたま見てしまった。
で、本題に戻ると、この作品は実によく出来ている。でも冒頭で言ったように、感情面での占有度を老成したカールじいさんに負っているので、どうしても大量の風船を飛ばして飛翔する時も当然ながら未来への羽ばたきのような躍動感が感じられなくなっている。それはどう考えても実質的に死出への旅だからなのである。
随行する子供も思い切りぶさいくにしてあるし、今までのディズニーワールドでないのは明らかである(ひょっとして僕が知らないだけかもしれないが)。まあ、ラストは落ち着くところに落ち着いた感はあるものの、敵(?)の飛行船をそのまま横取りしてしまう展開にあっと思ってしまう。別に最後行き着くところに行きついたのなら何も所有しなくてもいいのではないか、という人生観は、やはり僕が日本人の虚無を内蔵しているからなのでしょうか、、。
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