[コメント] ノウイング(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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物語を加速させるターニング・ポイントに"9.11"を持ってくるとはなかなかのタイトロープ。少しでもバランスが狂えば「不謹慎」へと真っ逆さまだな〜と思っていたら、結局のところ、バランスがどうとかいう次元ではなかった。
「フレア」がなんぼのもんか知らんが(FFシリーズの黒魔法なら知ってるが)、どうせほとんど有り得んことなんだろう(そもそも宇宙人とか出てくるし)。そういう「有理を超える無理」を目指した力技映画ならば、素直にシャマランに任せておけば良い。今回のアレックス・プロヤスははっきり言って映像美と説得力と可愛気を退化させたシャマランだ。
というか、「選ばれし者」は(最終的に)誘拐してでも地球から避難させるつもりだったのなら、そしてそれ以外の者は警告に気付こうが気付くまいが親だろうが何だろうが地球から避難させんつもりだったのなら、結局このクイズは何だったの? 遊び半分でヒントとか配置してたの?
こんな回りくどいことするぐらいなら、「近々、この星(地球)は滅びるよ。まあ、我々の声が聴こえるヤツは助けてやらんこともないけど」とそのスケルトン・ボディ(?)と宇宙船を見せつけて教えてやったら大体の人間は信じるだろうし、話も早いんじゃないかな。子供に「通訳」頼んでさ。もちろん、数字の羅列とかしょうもないのじゃなくて、普通のちゃんとした「通訳」ね。そうしたら、誰かと和解したり、死への覚悟を決めたり、そういったことにももっと時間的余裕が出来るだろう。宇宙人の考えることはよく解らん。ラストの『E.T.』→『ディープ・インパクト』→『風の谷のナウシカ』というまさかのコンボは憎めんが、それでもキツいわ。
「アダムとイヴ」(「アベルとカイン」・・・、はちょっと違うか)、「ノアの方舟」、そして天使に見えんこともない(羽っぽいオーラみたいなのを出してなかったっけ)宇宙人のデザインなど、宗教的なことを想起せざるを得ない作品だが、だからどうしたという感じ。「だからどうした」という言葉は個人的に嫌いなのだが(特に、批評をする際に使うにはふさわしくないと思う)、もう正直「だからどうした」で片付けたい気分だ。だって、つまんねえんだもん。
まあ、面白いところも無いことは無かったけども・・・、例えば"EE (Everyone Else)"を笑わせようとしているとしか思えないケイジさんの珍プレーとか↓
(巨大な宇宙船登場に)ケイジさん、ヒザから落ちる。
(飛び去る宇宙船に)ケイジさん、眩しがる。
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