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[コメント] 緯度0大作戦(1969/日=米)

ストーリーは冒険ものの王道。考えてみると、この映画の欠点は等身大の着ぐるみ怪獣だけ、ということに。ハリーハウゼン流コマどり撮影だったらすごい映画になっていたような予感。
ジョー・チップ

大平洋の海底に、(今、この時も)科学者の理想郷がある、実に魅力的な設定。海の底で100年以上に渡って善と悪の科学合戦が繰り広げられていたと想像すると実にワクワクして来ますな。巻きこまれた主人公たちも、どう考えても状況を理解しているとは思えないのだが、悪の組織の存在を知るや「いっちょやったるでえ〜」とばかり大将に率いられて悪の本拠地に殴りこみ〜、この明朗さがじつにスガスガしいです。                                                                    設定に関して、この映画は結構マジです。同じ科学でマッケンジーは大怪我をあっという間に直し、マリクは身の毛もよだつような生体実験を行う。科学の両義性を実に分かりやすく説明しています。この両義性を、マッケンジーも自覚しているので、緯度ゼロで開発された成果をみだりに広めようとしない(ついでに言うと二人の共通点は、ファッション、インテリアのセンスの悪さだろう)。                                            ところでいくら映画とは言え、こんな理想郷は荒唐無稽すぎると疑問がよぎるかも知れない。しかしラストの「意外な結末」の喪失感は、逆にこの物語に現実味を与えている。緯度ゼロ世界は夢かも知れない、しかし夢を失えば人類に未来はなく、世に戦乱は絶えないだろう(この当時起こっていた戦争や動乱のフラッシュバックが一瞬ある)。それゆえ緯度ゼロは存在し続けなければならない、我々の心の中に・・・

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)kiona 荒馬大介[*] ペンクロフ[*]

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