[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)
演出にウソがあるでしょう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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演出っていうのは、もともとウソを本当のように見せることだから、それにウソがあるってのもへんな話だけど、ウソを本当のように見せるには、見せるやり方ってのがあるはずで、もちろんそれはひとつの方法しかない訳ではなく、なん通りもの手法がある訳だけど、それにウソがあっては、やはり映画としては、いまひとつ共感できない。
この映画の場合は、バレエをきちんと描いてないこと。もちろんそれが狙いで、昔ながらの映画のように、バレエを一からきちんと修練していく様を描かずに、ジャズダンスみたいのを踊らせて、それで現代風な仕上がりにしたかったんだろうけど、それはやっぱり間違い。それが証拠に、この映画を見た人は、みんな最後に、成長したビリーの、正当なバレエを見たかったはずだけど、一方で、もし本当に見せてしまったら、そのシーンとそれまでのシーンとには何らかのギャップが生じたはずで、それが映画をちぐはぐなものにしたはずです。
つまり、ラストシーンで、もっとバレエを見たいと思う感性のほうこそ本物で、映画を作るとしたら、その感性を損なわないですむような演出方法を取らなければいけなかったんです。
ちなみに、そういった演出のウソは、「ブラス」にも、僕は感じました。
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