コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 上意討ち 拝領妻始末(1967/日)

組織のトップのスキャンダラスな不祥事を個人が内部告発しようと試みるがいつの時代も組織優先で個人を蔑ろにして穏便に事を隠滅に運ぼうとするのだという光景が凄く理不尽に画面一面に小林正樹監督の怒りで描かれている。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







結局は有望な人材を殺してしまっているのが分からない腐った藩主の考えの幼稚さに尽きる。そして腐った脳を持った藩主28号を金田正太郎少年みたいに無線操縦器でヤリタイ放題で動かしている周りの側近達とそれに巻かれる機械の人を人として扱わないで物として扱い、上に飾ってなかったら呼び捨てで再び飾られると態度を急変さして、頭をペコペコと下げる姿。それが武士なのか?

上意だと言って事を運ぼうとしたあの側近一味は、まさに天皇を担ぎ上げて利用しまくった日本軍部そのもの!さらに今に当てはめると就任1年以上経過するのになんら結果を出さないで「聖域なき構造改革」「構造改革の意志は揺るがない」とアホの一つ覚えで馬鹿を隠そうと難しい言葉の「上意」を連呼しながらバブル再来まで時間稼ぎをしている小泉とその一味そのものだ。まったく企業犯罪を犯しまくっていないで日本映画見ろ!トップが馬鹿だとこんな悲劇が起こるんだということを知れ!!

それにしても映画だと分かっているのに残された子供フクが今後どうなっていくのかが気になってしまう。親子二代に渡って悲運に悲恋にはなって欲しくないと切に思う。そしてグレゴリーペックみたいに三船敏郎には正義がよく似合し仲代達也には三船の対極がよく似合う。小林正樹、出演者の能力を引き出した橋本忍の脚本も見事!

2002/7/5

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 水那岐[*] ペペロンチーノ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。