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[コメント] 禁じられた遊び(1952/仏)

ポーレットとミシェルは可愛い。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







……可愛いが故に涙を誘い、可愛さが戦争をより一層引き立たせてしまう。そして、争いのない世界で創られたような心地よい音楽が流れるたびに、無力感を味わう。

2人の子供のした事は禁じられているわけじゃない。子供達がした遊びというのは、我々大人に対しての警鐘なのだ。死について全てを知ったような知ったかぶり世界で狂った人々の哀れな慌てふためきようを、先に禁じるべきではないか。

墓が何だというのだ?教義を憶えるのが偉い事なのか?「彼らを天国に迎え給え 父と子と聖霊の名によりて」と少年ミシェルになぜ言わせる?なぜ止めないのだ!

死の意味とはそういったものではないはず。その事に対して、大いに違和感を無意識に感じた子供の純粋さに対しての、大人達による弾圧である。教義を知っていても、隣人とさえ仲良くなれない。墓を作った所で何も生まれない。憎しみを鼓舞するきっかけとなってしまう哀しい時代の象徴でしかない。

子供達の手本となるべき存在であるはずの大人達。その大人達の火遊びこそ禁じられるべきであり、子供達の視線を大人達は無駄にしてはいけないと、この作品を見て感じた。映画内だけでいい。争いに引き裂かれる人々の、そして何よりも子供の泣き叫ぶ声など聞きたくないのだ…。子供達は天が使わした使者だということを忘れてはいけない。

2002/10/7

(評価:★5)

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