ブレイク・エドワーズ監督、ピーター・セラーズ主演の『ピンク・パンサー』シリーズに、とことん惚れ込んでいる。スラップスティックとロマンティック・コメディの要素を微妙なバランスで保ち、時にはダイアログで、時には体を張ったアクションで笑わせてくれる絶妙のコメディ映画。特に『ピンク・パンサー２』『３』『４』の３部作は、今もなお色褪せない珠玉のギャグに満ちている。

今回のリメイクは、まさに待ちに待った作品だった。通算4代目となるクルーゾー警部に、既にコメディアンとしては定評のあるスティーブ・マーティン。堅実なキャスティングではあるが、期待と不安の入り混じる複雑な気持ちで公開を待った。

どうやら、不安は吹き飛んだ様だ。面白かった！スティーブ・マーティンのクルーゾー警部は、ピーター・セラーズよりも饒舌。だが、体を張ったアクションとギャグは先輩を上回るようだ。

オープニングのタイトル・アニメーションを見たとたん、涙で視界が曇ってしまった。上映時間93分、ビスタサイズに縮小されたシリーズ最新作ではあるが、れっきとした「ピンク・パンサー」シリーズ第１０作である。

（次回作では怪盗ファントムとの対決を、ぜひ！）