空間、スピード、色彩、海の上を走る原動力が判らない電車…どこからが神でどこからが妖怪で人間なのか…。

さっきまで信頼出来ると思った人に冷たくあしらわれ、逆もまた訪れる。それを数回繰り替えしながら、ひとつひとつの出来事をこなす千尋。千尋にはきっと心の中でそれらを消化する暇なんてなかった。ただ流れに身をまかせるだけ。

そして物語が終わり、たったひとつ千尋の中に残ったもの＿＿＿それは千尋が通らなければ先に進めない、忘れていた大切な記憶（“はく”に川で命を助けられたという事実）を憶い出し、生かされているという実感を自分の手で掴んだ事。ん〜、ニクイね！

きっと誰もがどこかで見た事ある風景と感じ、私もそう感じた。そして納得いかない細かい設定…

あれれ？？これって、もしかしたら映画の話そのものが宮崎さんや私達が（寝ている時にみる）“夢”って事？

＿＿だとしたらこの映画に辻褄合わせは不要って事だね！！人間の根本にある“辻褄のあわない、自分では客観的に分析しにくい摩訶不思議な夢”を、理屈抜きで描ききった脳内visionと手腕…宮崎さん…アッパレ！！！（そう勝手に解釈して楽しんでるだけかもしれないけど（笑））素直に感じるままを楽しみます。これ最高だよ！！しかも全く映画の余韻もメッセージも（さほど重要に）感じないのに“楽しくて素晴らしいくて優しい”と思えるもんね。

強烈に憶えている夢の幾つかには、きっと大切な何かからのメッセージがあるはずなんだろうね。

このレビューを読んでくれたあなたにも…グッドラック（笑）