コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ロッキー2(1978/米)

映画としての約束事を、大成功をおさめた前作に臆することなくもっとストレートに表現しようとしたスタローンのパンチは、ロッキーのそれと同様に、当たりは少なくとも強烈にボディに響いてくる。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







延々と成金シーンがあって、延々と(ダラダラした)トレーニングシーンがあって、延々と病院シーンがあって、延々と(シャキシャキした)トレーニングシーンがあって、延々とボクシングシーンがあって終わるという、何ともわかりやすいヘタヘタな映画であることは間違いないのだが、それでもこの映画が十分に感動的なのは、ロッキーの行動原則が良くも悪くも全てエイドリアンへの愛という1本の強い柱で貫かれているからである。そしてそれに応えるエイドリアンの愛も堪らなく心に響く。それはもちろん彼女の行動原則がロッキーへの愛という1本の強い柱で貫かれているからである。

そういった約束事を、大成功をおさめた前作に臆することなくもっとストレートに表現しようとしたスタローンのパンチは、ロッキーのそれと同様に、当たりは少なくとも強烈にボディに響いてくる。

目覚めたエイドリアンはロッキーに言う。「まだベイビーを見てなかったの?」それに対してロッキーは、「お前と一緒に見たかったんだ」。

さらにロッキーは「おまえが望むのならボクシングをやめる」と続ける。それに対してエイドリアンは、「お願いがあるの?」「なんだ?」「勝って」。

それに応えるかのようなミッキーの「おい、何やってるんだ!!」との掛け声とともに素早くカットが切り替わったらもう片手腕立てである。こんな彼をどうして放っておけようか。こんなものを見せられたらフィラデルフィアの少年たちじゃないが、オレだってロッキーの後ろ姿を追いかけて走ってしまう。

「最後にひと言だけ言わせてくれ。エィドリア〜〜〜ン、やったぞ〜〜〜!!」

そんなの、断ってくれなくても何を言うのかは最初から分かってるって。けれど、それでも泣いてしまうんだな。全然かっこいいショットじゃないのに、かっこよくて。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。