コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] キャリー(1976/米)

デ・パルマ…。
ナム太郎

「ブタの血を浴びせるのと同じで、嫌気がさすほどひどい映像を見せることに意味がある」と当然のことのように語るデ・パルマ。この映画を「とても楽しんで作った」と当然のことのように語るデ・パルマ。さらに「徹夜の撮影になってさ、出演してくれたブタを食事にしたよ」なんてあまり聞きたくもないエピソードまで当然のことのように語るデ・パルマ。そんなあなたでないとこんな映画は作れないと、今になって改めて思う。

このように、今となってはギャグの宝庫とも言える彼ではあるが、(ここからは真剣に)この映画はよく出来た傑作である。何より全てを映像で語るという映画の基本が貫かれているところが素晴らしい。もちろんそれらは嫌気がさすほどひどい映像であったりするし、その後の彼の映画を観た人達には飽き飽きしてしまうような映像だったりもするのだが、初めて彼の映画を目にしたという幸運な観客には十分すぎるくらいのインパクトを与えること必至である。

またそんな鬼才のもとに集まった俳優たちが揃いも揃って人生最高の芝居を見せる。そう、この映画が実はものすごい演技合戦の映画であることも記憶と記録がともに物語っているだろう。もう誰がなんて言えない。みんながすごい。

ちなみにあのラストはスティーブン・キングも「原作で使えばよかった」と「絶賛」したとのことだが、これが実話だとしたらこれこそが見事なオチだね。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ダリア[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。