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[コメント] 七人の侍(1954/日)

何よりもまず最初に「参った!」と思わせられる。「黒澤明=巨匠」の図式以前に、この上も無くダイナミックでスタイリッシュでドラマチックでクールで情緒溢れる、あらゆるレベルで鮮烈な作品。・・・のハズ・・・。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別に「とても自分なんかに評価なんて出来ません!」と言うほど感動はしていないのだが(失礼)、本当に凄い。

個々の細かな動作や戦の時の構え方などにその人の性格が覗える気がして、本当に素晴らしかった。

そして何と言ってもそれぞれの死に様。死に様と言っても、もったいぶったように「後は任せた・・・」などとカッコつけてなど死なない。要はそれまでの生き様なのだ。(『弾丸ランナー』の「死に様ってのは結局は生き様なんだよ」とかいう感じのセリフを意識・・・)生き様に魅力があるからこそ、その死が悲痛に悲愴に伝わって来て印象深いのだろう。

また、七人の戦う理由が実の所、有るようで無い、もしくは無いようで有る、と感じられるのが興味深い。農民ってのは自己中心的で薄情と相場が決まってるが、それもあってラストの生き残った3人とその前にある死んだ4人の墓を見た時、何とも言い難い気持ちになる。その分、ラストのセリフに反感を抱いたが・・・。

しかし、セリフ。さすが黒澤とでも言おうか。多少なりとも短所は他にも感じたが、何よりもこのセリフの聞き取りにくさ。40年代の彼の作品よりはマシだが、3割ほど理解困難。徹底したリアリズムなのは十二分に分かったから字幕付けてください。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)煽尼采[*] chokobo[*] ハム[*] さいた

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