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[コメント] 許されざる者(1992/米)

最後に語られた話(レビューは冒頭からラストについての言及あり)
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この残酷な保安官殺しの一部始終を見た後、武勇伝の口述を得意とするあの伝記作家はどうしただろうか。

職業作家として作品を読み続けてもらうには到底受け入れてもらえる話ではないと判断し、この話を封印したのではないだろうか。イングリッシュ・ボブから保安官への素早い鞍替えの様子を見ても、それぐらいの目利きは容易にできるだろう。

しかし、耳ざわりの良い作り話ばかりを編み出すことに倦んでしまったとき、作家の脳裏には酒場の亭主を無慈悲に殺したあの男のことが浮かぶのではないだろうか。作家が本当のこと、あの酒場での殺戮を語るとき、それは作家が断筆するときにほかならない。

クリント・イーストウッドは殺戮者であり、作家でもある。(★3.5)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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