[コメント] BROTHER(2000/日=英)
ビートキヨシでなくても言う。「よしなさい」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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90年代において、新作が常に注目され、それなりの評価を受けた監督は、クエンティン・タランティーノ・ウォン・カーウァイ・(ちょっと怪しいが)コーエン兄弟と北野武であったと思う。
今作はテイストとしては『その男、凶暴につき』に近く、展開がとんとん拍子に進んでいくところは『キッズ・リターン』に類似していると思う。北野作品は大きな外れがなく平均して好きであったが、今作は彼にとって遂にやってしまった初めての駄作である。
兄貴のために死を選ぶ今回の寺島進の有り方は、北野作品を貫いてきた自己との煩悶における死生感から大きく外れるものであると解釈する。また大杉漣の 昔ながらのあのシーンや、観客の肝を冷やすように突然鳴り渡る銃声など、悪趣味なシーンは枚挙にいとまがない。中でもあの人文字は、映画史上に残る悪趣味ぶりであると思う。北野武の考える死はこのようなものなのか、本当にあの『ソナチネ』を撮った人なのか疑わしくなる。
新世紀に入り、北野武はだめになってしまったのか。いやウォン・カーウァイだって『楽園の瑕』を撮ってしまったんだし、90年代に活躍した監督というだけでは終わってほしくない。世界標準とかあんま気にしないで、たけちゃん。愛情がこもっているぶん1点。
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