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[コメント] ギルバート・グレイプ(1993/米)

重き運命の神はギリーに首ったけ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ラストでとてもモヤモヤさせられた。こんな設定であればスカッとした終わりなど不可能だろう。

ギルバートがキレて地下室を破壊する。私がこの映画で最も印象に残っている場面だった。しかし、シーンと同じエネルギーが全てのシーンにも存在しているのだ。ただそれはギルバートの内面に渦巻いているのだ。ジョニーデップの表情を見ればよく伝わってくる。とても辛い話だと思う。彼は外部世界に行って街で楽しみたかっただろう! 女の子と遊びたかっただろう! 同年代の女の子と(ストーリーの中ではあの町の人間で若い女は全く登場していなかったと記憶)! 不倫までして誘ってくるおばさんなどではなく! そんなことを喉から手が出るほど希求していたに違いない。

でも彼は(きっと51対49ぐらいの差で)家族を選んだ。それは「正しい選択」でも「正しくない選択」でもない。

ここ。

う〜む・・・。

この言葉には表せない混沌とした感情。ここがどうも、ネックになってずっとコメントが書けないでいた。今もまだビシッとした感想なり結論なりは出てこない。でも一つだけいえるのはとても辛い話だということ。

この運命とどう折り合いをつけていくか、そこがポイントなのだろう。ラストシーンは私にとってそれほどハッピーエンドには感じられなかったが、ギルバートは幸せになるといいと思いはした。そして彼が64歳ぐらいになって人生を振り返ってみたとき、自分の選択を誇れるようになるといいと思う。

(評価:★3)

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