こういうフランス映画大好きです。のほほ〜んとした気分に浸れる。男の欲望をあからさまに表現してるんだけど、あまり嫌らしさを感じさせない雰囲気が良い。客のシャンプーをしながらスカートの中を弄るシーンなんか、やらしい行為をしてるんだけど、それよりも絵的なキレイさを感じた。アントワーヌが踊る奇妙な動きのダンスも見てて面白かった。80分ってかなり短いせいもあるけど、すごい集中して無駄なく見られた。『バクダッド・カフェ』とか、決してルックスが良いわけではない人々の恋愛映画って意外にも惹きつけられる気がする。それと、この映画のラストシーンは最高だと思った。アントワーヌがいつものダンスを踊って楽しそうにしてるんだけど、テープを止めて、ふと笑って発した台詞「家内が戻りますから」には感動する。彼のマチルドに対する愛を象徴した言葉だと思う。マチルドの死に方と動機には納得いかない部分があったが、ラストは本当に良いシーンだ。