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[コメント] ローレライ(2005/日)

「事実は小説より奇なり」とは言っても、その奇しさが事実を中途半端に上回っている場合には、残念ながらそれは「新たな事実」ではなく「ウソ」にしか見えない…画面の迫力は素晴らしいのだけれど。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「女の子がマシンガン持って走り回る」パターンの変形としての「潜水艦の兵器としての女の子」なのはいいけれど、その女の子が現代っ子としか思えない外見(ヘアスタイルなど)と喋り方であるウソ(そして、帝国軍人が個性的なヘアであるウソ。いくら潜水艦勤務の兵士には自由の気風があったとは言え、緊急勤務の将校、兵士が大勢なのに、だ)。さらに、回転砲塔を持つ潜水艦が地上から発進する爆撃機を浮上間もなく撃ち落してしまうウソ。

それらは画面で見るかぎり面白いウソなのだけれど、人間には理性というものが存在するので、それが許さないウソってのはやっぱりあるのだ。自分にとってはそれだけで「ああ、これも良くあるトンデモ架空戦記と同じなのだ」と失望させられてしまう。そして、潜水艦の中で生死のはざまを彷徨っている筈の乗組員たちの緊迫感のなさにとどめを刺される。

監督が怪獣映画という、普通より制約のない世界で名をあげた人物であるのは承知しているので、許してはあげたいのだけれど、これはどう見ても下手なウソであった…残念ながら。

(評価:★2)

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