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[コメント] 火の鳥2772 愛のコスモゾーン(1980/日)

むしろ手塚ファンの人に冷静に見てほしい作品。手塚治虫だって神様じゃない。こんな箸にも棒にもかからないシャシンも撮るのです。
水那岐

かつて虫プロに所属していた『ガンダム』の安彦良和はこの作品について、「手塚治虫の商業的欲求によって作られた作品」と言っている。すなわち手塚はディズニーのようなフルアニメーションの支持者を本物の映画愛好者と断じ、対するに日本のゴチャゴチャした設定のついたリミテッドアニメ愛好者には、この程度の作品を提供しておけば「結果的には受けると思う」とのたまったそうな。

しかし皮肉なことに、この作品は「真の映画ファン」はもちろんアニメファンからもブーイングを浴びた。手塚はアニメという手法で劇映画を作った先駆者だった筈なのに、内心ではその手法を邪道と恥じていたのだ。安彦の批判を待つまでもなく、手塚の時代はここにおいてすでに終わっていたと言っていいだろう。

手塚作品の再評価は著しいが、いつまでも過去の功労者をたたえているだけでは未来はない。日本のアニメーションはとっくに、ハリウッドのそれとは違う新しいジャンルを確立していることを忘れてはならないだろう。

(評価:★1)

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