[コメント] 騙し絵の牙(2020/日)
犬の横顔のアップと、職場でコーヒーを淹れるOLがカットバックされるオープニングの不穏さがなかなか印象的。
しかもこの地味なOLが松岡茉優だったなんて、言われないと判らないくらいシーンに溶け込む憑依性、そして話が進むにつれてキャラクタがどんどん変化していく。やっぱり松岡茉優すげーと改めて思わされた。
テンポよく進む映画全体の展開も楽しかった。伝統業界の老舗企業における新旧勢力争いという題材自体はありきたりだが、ナチュラルに既存の発想を壊し、享楽的に自分が面白いと思うことだけグイグイ進める大泉洋のキャラがリアリティある。こういうタイプの人、どこにも(あなたの会社にも、私の会社にも)いるのではないか。こういう人って、何度失敗しても需要がいくらでもあるので、次から次へとポジションを替えながら生きていけそう。
池田エライザや宮沢氷魚の描き方も、今の社会の雰囲気をうまく現している。吉田大八の時代を捉えるセンスが発揮された作品だと思った。
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