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[コメント] 不思議惑星キン・ザ・ザ(1986/露)

こりゃイケル!低予算、貧弱な特撮でこれだけのSF大作が作れるあたり、上はトルストイ等の天才を生み出し、下は字も書けないというロシア人の上が余裕を持って作った感動ものの大作です。
りかちゅ

りかちゅはこの映画が作られた二年後、ソ連、東欧一周旅行をしましたが、100円ライターはどこにも売っておらず、皆マッチでタバコを吸って居た事、買物行列があんまり長いので、買物は大抵男の仕事だった事、赤の広場で、「私をあなたの運転手に雇って下さい。」と同じ年頃の男の子に言われ、「自転車の運転手かい?」と答えて大笑いしたことなど、頭の中を走馬灯の様に駆け巡りました。その頃月給一万二千円で、家に電話も引けなかったハンガリーの友人シャンドールが、今では十五万稼ぐようになり、バカンスはチュニジアで過ごせるまでに出世したのは嬉しい限りですが、昭和三十年代にトリップしたような不思議空間はどこにも無くなり、みんなユーロをバンバン使って朝マックするようになったのは寂しいです。もう、チベットにでも行かなければカルチャーショックは受けられないのね、と悟りを開きました。お金持ちになるって過程は皆一緒、アメリカナイズされる事なのですよ。東側で自らのカルチャーショックを描いたこの作品は、壁崩壊寸前の、ソ連映画界の生み出した最後の綺羅星ですね。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)埴猪口[*] sawa:38[*] Yasu[*]

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