どこかのカルト宗教集団の構図に似ていると思いました。さながら年長者は信者を隔離して洗脳教育してる教祖です。シャマラン監督は自由だけど危険が潜んでいる世界が良いのか、不自由だけど隔離された安全な世界が良いのか、を問いかけているみたいですが、あまりにも稚拙で答えを出すまでもありません。これが子供の発想であれば笑っていられるのですが、大人の発想だと思うと狂気すら覚えます。ちなみに僕の答えは、人間の英知を絞り世界に自由と安全を築く事です。例えそれが理想論でも隔離された世界に逃げるよりは遥かに良いと思います。

次は技術的な面です。『ヴィレッジ』のような世界観を謎にする作品の場合は、観客と同じ視点の人物が必要だと思います。仮にその人物を村のアイヴィーとしましょう。例えば洋服の供給方法、家の建て方、食料の調達方法、監視台の場所の所以、村の歴史などを、アイヴィーが村長に質問するのです。その質問に村長が答える事により観客の疑問も解消されます。これで観客は世界に入り込み易くなるはずです。ちなみに『シックス・センス』ではブルース・ウィリスが観客視点になっている創りをしていました。