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[コメント] 永遠の語らい(2003/ポルトガル=仏=伊)

圧倒的な画面の映画。例によって会話は殆どどうでもいいと思う。まず第一にレオノール・シルヴェイラとその娘がとても美しく、その美しさは彼女達が映っているだけで画面の緊張が維持されるといった美しさなのだ。あゝ映画とは見ることの快楽だ。
ゑぎ

 船長マルコヴィッチ、実業家ドヌーヴ、有名モデルのサンドレッリ、女優パパスの四人がテーブルを囲み、それぞれ母国語で話し始める部分も、途中でドヌーヴが種明かしをするまで異様な緊張を強いられることになるが、これだって、会話による緊張というよりは、矢張り彼女達の表情や所作といった画面の緊張なのだ。或いは、停泊中の船上デッキから撮った、埠頭とタラップへの主観ショットや、海上を航行中の船首のショットが何度もリフレインされるけれど、こういう処理もシンプルだが力強い画面の流れを形成する。

 また、アテネでギリシア正教会の神父が話しかけてくるシーンや、エジプトでのポルトガル人俳優・ルイス・ミゲル・シントラとのシーンが顕著だが、切り返し(リバースショット)がいつ出てくるか、と固唾を飲んで見つめることになる演出も画面の強さにつながっている。尚、アテネでの神父との会話シーンでは、さりげなく「イマジナリーライン越え」のカット繋ぎが2回出て来て心ときめかされる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)disjunctive[*] Orpheus 赤い戦車[*]

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