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[コメント] ローラ(1960/仏)

あゝアヌーク・エーメ! 大傑作、というような映画ではないのだが、最高に可愛いくてカッコいい、しかも、まとまりも良い、満足感は最上級の映画だ。
ゑぎ

 なんと素晴らしいオープニングシーン!見事なクレーン移動カット。この、"謎"のオープンカーの男のテーマ曲はベートーベンの7番2楽章(ベートーヴェンのアレグレット)だ。クラシック音楽の使い方ということでは、祭りのシーン、水兵のフランキーが14歳のセシルを抱き上げるスローモーションでは、バッハがかかる(平均律クラヴィーア曲集No.1)。しかも、全編で、こゝだけスローモーションなのだ。この祭りのシーンも、なんか危うくてたまらないシーンだ。

 冒頭でマックス・オフュルスに捧ぐ、という字幕が出るのだが、確かに、登場人物の関係や出入りの仕方、或いは、すれ違いの描き方はオフュルスを目指したのだろうと感じるが、カメラが街に出る嬉しさに溢れた、自由奔放な視点の獲得は、『幸福の設計』なんかのジャック・ベッケルを思い起こさせる。窓やドアや階段の使い方の上手さもそうだ。

 ローラ−アヌーク・エーメが働くキャバレー「エルドラド」でのダンスシーンのエネルギッシュなこと!エンディングの突き放しの鮮やかなこと!見る前から、そうに違いないと思ってはいたけれど、想像通りの愛すべき作品だ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)濡れ鼠

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