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[コメント] イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(2014/英=米)

全体に、これぞアカデミー脚色賞の映画、だと言えるだろう。決してダメダメな映画ではないのだが、社会的テーマ性にポイントを置かない限り、本作を高位に位置付けることはできない。
ゑぎ

 話の運びは円滑で、興味深く見ることができる。撮影は綺麗だし、衣装を見ているだけで楽しい。しかし個性のない演出だ。例えば戦時下の様子、爆撃や瓦礫の中での生活などを繋げた部分も、各カットには結構お金はかかっていそうだが、トラック移動の繰り返しで繋げるあたりがありきたりなのだ。ベネディクト・カンバーバッチの熱演は分かるが、それしかない。キーラ・ナイトレイもギスギスしていて美しいと思えない。彼女は「変人」という造型のようでもあるが、美女扱いなのか変人扱いなのか中途半端なのだ。意地悪キャラ、責任者のチャールズ・ダンスや、最初は敵対するヒュー役・マシュー・グードのキャラクタリゼーションも類型的だと思う。クリストファーと名付けられた計算機の、円形の部品の回転運動は目を引く。しかし、これももっと面白い画面にできるのではないか。

#昨今流行のチューリングテスト(機械が知的かどうかを見分けるテスト)の考え方も、刑事・ロニー・キニアによる尋問のシーンで出てくるが、これも、とってつけたよう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)3819695[*] ナム太郎[*]

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