[コメント] イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密(2014/英=米)
筋書きは面白く飽きずには見られるが、鑑賞後にその題材の重さに比例するほどのものが残るのかというと決してそうではない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本作の根底にあるものは、若きチューリングに生きる希望を抱かせてくれた少年クリストファーへの愛情と、そんな彼が自分に何も告げることなくこの世を去った喪失感、そこに尽きるのではないかと思うのだ。が、モルテン・ティルドゥムの演出は、筋書きを筋書きどおりには見せるものの、その根底が作品自体を通底するものともなっておらず、結果として映画を「魅せる」ものにまでは昇華しきれていない。だからラストのカンバーバッチとナイトレイの熱演も心にまでは響いてこない。
また、チューリングの人生の結晶たる計算機クリストファーにしても、せっかくあれだけの魅力的な意匠を持ちながら、その使われ方、見せ方のつまらなさはいかがなものかと思ってしまうし、チームの転換の経緯についてもリンゴひとつであそこまで劇的に変化させるのはさすがに飛躍的すぎるのではないかと思う。
先にも書いたが、基本的な筋書き自体は面白かっただけに、作品としての成熟度がそこに追いつかなかったのが残念。
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