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[コメント] ガンパウダー・ミルクシェイク(2021/仏=独=米)

主人公のサム−カレン・ギランはスカーフェイス。左頬にナイフ傷がある。主なロケ地はベルリンのようだが、劇中、舞台の都市については言及がなかったと思う。尚、登場人物は全員英語を喋る。
ゑぎ

 冒頭の、ダイナーの電飾看板風クレジットからしてお洒落。全編、色遣いの綺麗な映画だ。お話は、運悪く犯罪組織に狙われることになった女殺し屋サムと、図書館司書に姿を変えた3人の武器商人(兼殺し屋?)のアンジェラ・バセットカーラ・グギーノミシェル・ヨー、及びサムの母親−レナ・ヘディによる、犯罪組織の殲滅を描いたものだ。また、サムの弟子として、8歳9ヶ月(8 and 3 quarters)の少女エミリーが加わり、ずっと殺戮現場に居続けている、という趣向が、活劇として面白いプロットを生み出すことになる。

 例えば、最も瞠目したシーンは、両腕に痺れ薬を注射され、手が使えなくなったサムが、エミリーを膝に乗せ、ハンドルとシフトレバー操作をエミリーに任せて、自動車を運転する地下駐車場のシーンだ。嘘みたいなドリフト走行・駐車の連続。こゝは映画史に残る出色のカーアクションじゃないか。

 クライマックスは、図書館(といっても2階は博物館みたい)及びダイナーを舞台とする銃撃戦と乱闘シーンで、本作も、喜びに溢れた殺戮が、まったく映画として倫理的に描かれている。ただし、ワタクシ的には図書館内部(つまり本)が、滅茶苦茶に破壊されていく画面には心が痛んだ。また、ダイナーのシーンの超スローモーション横移動カットは驚くべき演出だと思うが、ちょっと、かったるくもあった。尚、サム−カレン・ギランは、超人的格闘スキルの持ち主に描かれているが、乱闘アクションは、イマイチぎこちなく見える。面構えはたいへんいいと思うが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH プロキオン14

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