[コメント] スター誕生(1976/米)
本作もクリス・クリストファーソンのコンサート場面から始まる。そしてコンサート後、リムジンでの帰路、場末のナイトクラブに寄り、歌手のバーブラ・ストライサンドに出会う。
あらためてこれを見ると、ブラッドリー・クーパー/レディ・ガガ版は完全に本作のリメイクだ。 ストライサンドは、黒人バックコーラス2人を伴った、3人のグループのメインボーカル。「Queen Bee」という歌を唄っている際に、階段を下りてクリストファーソンがテーブル席につく。このシーンの混乱した店内の描き方、カッティングもいい。
ストライサンドはヒット曲「Evergreen」を唄うレコーディングシーンもいいが、コンサート会場で急に舞台に上げられて唄う「The Woman in the Moon」の声量が圧倒的で、タイトル「スター誕生」を一番納得できる歌唱シーンになっている。いやあらためて、この人のスター性に圧倒されるのだ。
本作の画面上のストロングポイントの一つは、アリゾナの荒野の家のシーンがあることだ。二人で乗馬するカット等、バックに雪山が見える、西部劇的風景が挿入される。このロケーションがあるとないとでは、画面の充実さが全然違うだろう。こゝは、ロバート・サーティースの撮影の見せ場でもある。
ストライサンドのグラミー賞授賞式のシーンでは、クリストファーソンは泥酔して暴れるだけで、ブラッドリー・クーパーのような粗相までは描かれない。また、クリストファーソンには、禁酒を試みようとするような了見は一切なく、周囲も、禁酒をそそのかしたりはしないのだ。早朝、赤いフェラーリに乗り、ビールを飲みながら、凄いスピードでハイウェイをぶっ飛ばす。このシーンのスピード感も、よく撮れている。
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