[コメント] パッチギ! LOVE&PEACE(2007/日)
暑っ苦しいおっさんの説教を延々と聴かされたような感じだが、少なくともおっさんの言い分が全然ぶれていないし、「おれはこう思うねん」とストレートに、ヘンに気をつかわれることなくすぱーんとやられると、暑っ苦しいなあとは思っても「わかった、わかった」とそう嫌な気はしない。
前作『パッチギ』の続編だが、主役のキャストをがらっと入れ替えている。そこにどうしても違和感があるし、むしろそれを消すために、同一キャストとなったアンソンらの母親役の出番がやたら多くなったのかなとつい勘ぐってしまう。
前作から変わった主役級のキャストらは、がんばっているしところどころでいい味は出していたものの、がくんと落ちたのは感じがするのも否めない。
ただ、そのキャストの変更よりももっと落ちたと感じるのはBGMの迫力が今回はまったく感じられないことだろう。
前作は映画のテーマとしても、また生のフォークとしても「イムジン河」がどんぴしゃりとはまっていたが、今回はそこまではまるBGMがないままで、その分、かえって暑苦しさが増したような気がした。正直、「イムジン河」のあるとないとでここまで差がひろがるとは驚いた。
前作との比較ばかりが目についてしまい、これが前作と関係ない一本の映画として、主役の名前がアンソンとキョンジャでなかったらどうだったろうかとは思うが、前作のヒットがなかったらこの映画もなかったのではないかというのも芸能界の一面、ですか。
74年の世相をこまかく担ぎ出してはきたが、それがそんなに成功したような気はしない。あと、そこがどのような場所であれ、井筒和幸監督には東京を舞台にした映画は似合わないんじゃないかなあ。なんか、雰囲気がなあ・・・
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