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[コメント] のらくら(1921/米)

こんなサイレントの短編なのに、ネタバレ・レビューになってしまうってのは、すごいんだか、何なんだか。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そもそも浮浪者なのに、なぜゴルフを?それも、自前のクラブセットまで持ち込んで?という疑問を気にさせないのがチャップリンのすごいところ。

大体、汽車から降りてくるシーンからして図抜けている。金持ちが、用意された踏み台を静々と降りてくるのに比べて、いきなりパカーンと、足で戸を蹴飛ばして、ずるずると出てくるのだから、このインパクトの前には、チャップリンがなぜクラブセットを持っているの?なんてことなんか、どうでもよくなってくる。

そして思わず胸を締め付けられたシーン。浮浪者の方のチャップリンが美貌の人妻との空想からさめた時の切なそうな表情。ああ、すごいなあ、やっぱり美しい女性を見たら、男はみんなこんな表情するよなあと、しみじみと思ってしまった。

それにやられたと思ったのは、酔っ払いチャップリンが、後姿で肩を震わせていたシーン。このシーンなんかは今見ても立派に通用するんじゃないだろうか。最初は「そうそう、こういう大げさな動作で感情を表すのがサイレントの特色だよな」と思っていたのに・・・・・・

後はやっぱり最後ですね。ブルジョアの尻を蹴飛ばしたのも痛快なら、その後、さっと一目散に逃げていく、っていうのがまた爽快。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)甘崎庵[*] はしぼそがらす[*] けにろん[*]

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