二人は、同じ運命を背負っていると思ったからこそ、ぎりぎり支えあって生きていた。しかし、同じではなかった。奇病に罹るのは自分だけ。それで二人とも狂ってしまった。ポイントは、奇病が不幸を招くのではないこと。二人で奇病になるのなら、きっと堪えられたのだ。「自分だけが損をした」と感じる卑しい心が、自分自身を苦しめていく。

ってことを、傍観者である「おろち」さんが教訓的に思った。というお話。

原作を知らないのですが、シリーズだそうで。おろちの存在が素晴らしいです。観客とテーマの間にはさまった存在のおろち。どっちかというと、おろちも恐怖劇場の観客ですからね。

それと、姉（木村佳乃）の２段階ビンタが良かったです。うまいなあ演出。普通ビンタ（右手で、右から左下へ振り下ろす）をした後、裏ビンタ（右手で、左から右上に振り上げる）がでます。裏ビンタの方がおっかないわけで。憎しみがどんどん深まっていく、姉妹の関係がどんどん壊れていくことを、一瞬で表せるとしたら、ああいう演出なのだなあ。グッときました。

それと、おろち（谷村美月）が、真っ赤なコートをぐるりと羽織る、真上からのショットが美しかったです。灰色の地面と真っ赤なコートのコントラスト。