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[コメント] サロゲート(2009/米)

しかしブルース・ウィリスという男は実にファニーガイだ。こういう照れ隠しの可笑しみは男性的な資質で、女優ではきっと可愛らしさが先に立ってしまうことだろう。一流のスター俳優はいずれもこうしたチャーミングなところを持っている。
shiono

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とにかく前半のサロゲートウィリスのルックスが超笑える。文明風刺のテーマをユーモアで料理しているのがこのパートだ。レンタルのサロゲートのちゃちい感じもいいし、極めつけは自治区域でのダイハード10.0?みたいなウィリスのアクションシーン、これはもちろんターミネーターシリーズのパロディだろう。モストウ監督の手になるT3は巷の評価に反して私のお気に入りだ。

モストウの興味はオーソドックスなドラマにあるようだ。T3はボーイ・ミーツ・ガールものだったし、本作の核といえるのはずばり「老い」だろう。息子を亡くしたという主人公夫婦のトラウマは設定に過ぎない。だからファニーなウィリスのルックスの変化が効いてくるのだ。そのバックグラウンドに、アクションスターとしての彼のフィルモグラフィーの蓄積がある。

アンドリュー・ニコル「シモーヌ」、スピルバーグ「マイノリティ・レポート」、アレックス・プロヤス「アイ、ロボット」といった作品も頭に浮かんだが、それぞれに異なる魅力があっていい。エンディングのモブシーンはシャマラン「ハプニング」を凌駕する斬新さであった。CGアニメーションがいかに進化しようとも、映画にとって生身の肉体に勝る被写体はあり得ないと断言したい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] 3819695[*]

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