[コメント] ロリータ(1962/英)
とりわけ俳優へのディレクションに力を入れた作品だろう。ピーター・セラーズとシェリー・ウィンタースの神経に障る演技が見事。スー・リオンは万人を納得させうるロリータ像を生み出せてはいないが、よく健闘している。
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「演技」ということに着目して云えば、ジェームズ・メイソンはウィンタースの前ではリオンへの想いを隠して「夫」を演じているし、リオンは学校で行われる演劇に出演する。また、映画の終盤ではリオンがセラーズとの関係を隠してメイソンに対して演技をしつづけていたことも明らかになる。セラーズ=クィルティというテレビ脚本家に至っては、警察のコンベンションが行われるホテルにおいてまるで自分は警官であるかのように振舞うし、さらには「ゼンプ教授」なる心理学者を堂々と演じさえする。つまり、この映画において俳優は多くの場合「二重の演技」を要求されているわけで、キューブリックが俳優へのディレクションに力を入れたのも当然だと云える。
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