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[コメント] インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(2008/米)

予め定められた流れに、マネキン・タウン&キノコ雲やら軍隊アリやらとりあえず撮りたい画をテキトーにはめこんででっち上げた映画。それは端的に批難されるべきことではない。と同時にやはり少しく狂気的だとも思う。見せ場の過剰盛り込み・登場人物の死に様、あるいは今になって『インディ・ジョーンズ』の続編を作ることそれ自体。
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期待したような「老人アクション映画」の新境地が拓かれることはなかったが、「並走」や「落下」など映画にふさわしいアクションの画面を多く持っている。それについては率直に嬉しい反面、どうしてそれにもかかわらずこの程度の面白さに収まってしまうのだろうか(これだけ「並走」の画面を繰り出しているのだからもっと面白くなってしかるべきではないか)と、これもまた率直に疑問を覚える。CGによる「生身感」の希薄さのためかしら。むろんそれもあるだろう。しかしそれ以上にカメラ・ポジションとひとつびとつのショットの尺の長さ・配列の問題ではないか。つまり、もっと「正確に」活劇を組織する余地があったのではないかということ(巻頭『アメリカン・グラフィティ』並走のワクワク感のなさ・ジャングル並走の突き抜けないもどかしさ)。ヤヌス・カミンスキーもこの題材と相性がよいとはあまり思えない。

美しい醜女ぶりを見せるケイト・ブランシェットの扱いはフェティッシュでよい。車上フェンシング。つるやロープへのぶら下がり。ロシア風発音の英語。衣裳。髪型。あるいは私がブランシェットを好きなだけかもしれないが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)赤い戦車[*] けにろん[*]

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