[コメント] リバティ・バランスを射った男(1962/米)
これほどジェームズ・スチュアートを心から愛せる映画はない。それはスチュアート的キャラクタの「弱さ」が厳しく描かれていながらも、同時にその弱さが「美しさ」として迫ってくるからだ。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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スチュアートの弱さの美しさ。それは彼の身につけている白いエプロンが象徴しているだろう。エプロン姿で決闘に挑む男、それが『リバティ・バランスを射った男』のスチュアートなのだ。そんなヒーローが果たして他にいただろうか。少なくとも私の記憶にはない。このスチュアートは「スチュアート的キャラクタ」に対する辛辣な批評であり、同時に切実な肯定でもある。ここで「スチュアート的キャラクタ」とは、思い切って「アメリカの良心」あるいは「アメリカ民主主義」と云い換えみてもよい。だから私はあの教室シーンに打ちのめされてしまう。スチュアートが説く「アメリカ合衆国」、その純粋さ。子供たちの“ABC”の歌声。ヴェラ・マイルズの健気な助手ぶり。ウィリアム・クロージアが操る光と影。
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