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[コメント] 愛と誠(2012/日)

かつて量産された邦画プログラム・ピクチャーの良質な復刻。こういうものを制作できる立ち位置にいる三池崇史は現在の邦画界において貴重な存在だ。賞レースには絡まないだろうが、こういう作品こそ劇場に足を運んで支持していくべきなのでは?
赤い戦車

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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曲によって著しい差があるのが勿体ない。OPの「激しい恋」は良かったがそれ以降ロングショットや群舞が不足気味(これは役者の力量不足の影響もあるだろう)で、前半はミュージカルナンバーがいまいち弾け足りない。丁度テンションが下がってきたタイミングで花園実業へと舞台が移行するのだが、ここの荒れっぷりがちょっと類を見ないくらい素晴らしい。教室・廊下・校庭いっぱいに積み重なったガラクタの山!床一面に煙草の吸殻!煙!この過剰さこそ映画だ。

また、多くの方がOPか余貴美子の「酒と泪と男と女」、安藤サクラの「また逢う日まで」のどれかをベストナンバーとして挙げるだろう。無論私もこの3曲には大いに感動したし大好きなのだが、個人的に面白かったのは大野いとの「夢は夜開く」。「女子トイレ」という限定された空間をうまく切り取っていて非常に巧い見せ方だったと思う。

この監督らしいお下劣さや暴力描写のキレも健在で、完璧ではないがとても楽しい一作であった。

※どうでもいいけどパパイヤ鈴木って懐かしい名前だな。ちゃんと活躍してたのね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64[*] けにろん[*]

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