一人の青年と一人の少女が初めて列車で出会うシーン。

メガネをかけた若い青年から、年不相応な声が出た瞬間、これはミスキャストだと思った。しかもその青年は脇役の一人かと思いきや、主人公の二郎が成長した姿だから驚いた。そこから後はずっとその声の青年が出ずっぱりなのだから。 最後まで顔と声とのギャップを埋めることができなかった。

顔は若いのに、明らかに年取った声。しかも感情に乏しくほとんど棒読み。

「素人っぽさがいい」という意見はわかるが、いやいや相応しい声はもっといくらでもあったはず。スタジオジブリの中でも違和感を感じた人はいなかったのか。宮崎駿が決めたのだから仕方ないという感じなのだろうか。

ハウルの動く城でも、若い時のソフィーの声が倍賞千恵子であったのにも違和感を感じたが、年取った時の声もあったからそれ程でもなかった。

しかし今回はひどかった。

それでもラストの菜穂子の健気さには心打たれた。が、結局中途半端なすごく残念な印象だけが残った。