マルセル・ボズフィの映画ファンのコメント
けにろんのコメント |
華麗なる相続人(1979/米) | この何の芸当もないオードリーの復帰第2作を止める者は誰もいなかったのだろうか。薹が立った爺婆スタッフ・キャストに囲まれ安住するだけの彼女に年相応の枯淡も色香もない。無惨なだけで、つくづく『ロビンとマリアン』で打ち止めにするべきだった。 | [投票] | |
フレンチ・コネクション(1971/米) | 張込と尾行に特化したベッケル・メルヴィル発ニューシネマ経由の純粋映画の昇華形がロイズマン撮影の即物感と相俟り最高。一発の銃弾を契機に爆走に転ずる展開の妙とラストの詠嘆。ポパイのキャラはアメリカの自己照射だ。全ての面で風化度ゼロ。 | [投票(3)] | |
Z(1969/仏=アルジェリア) | クタール撮影のポップとも言えるまでの明晰極まる地中海の陽光の下で又寓意を篭めた仮想国の物語としながら伊映画のような暗黒政治へのプロテストが描かれたことが驚きでさえある。アンビバレンツな魅力に充ちている。多少単純ではあるにしても…。 | [投票(1)] | |
ローマに散る(1976/仏=伊) | 『Z』をクタールの映画だと言うのと等質に、これはサンティスの映画だと言ってもいい。それ位の撮影の濃度がある。元最高裁長官宅での軍警察の介入目撃は、蛙の穴を掘ってたらデカい蛇が出たとも言うべきエキサイティングな映画的興奮に充ちている。 | [投票(1)] |