★3 | 青春の門(1975/日) | 大正から昭和の敗戦へ至る裏産業史に、タエ(吉永)という「女」を軸に光が当てられる分、重蔵や竜五郎から信介へと受け継がれる「男」物語が薄れ、関根を経由して朝鮮戦争と日本国家という命題が抱える男根主義の苦悩が浮く。新人大竹しのぶの非凡ぶりは圧巻。 | [投票] |
★3 | 太陽の子 てだのふあ(1980/日) | 語られる「過去」の沖縄のエピソードが「現在」へと結ばれるべき視点が弱く散漫な印象。かつて浦山桐郎が吉永小百合に託した、重いテーマの結節点となるべき健気な少女という役は原田晴美には残念がら荷が重過ぎた。真摯な映画だけにもったいない。 | [投票(1)] |
★5 | キューポラのある街(1962/日) | 貧富の差が明らかであればあるほど、次に何をなすべきかがはっきりとする。貧困を描きつつ、悲しみや苦しみはあっても悲惨さは漂わない。子供たちが未来に希望をもてた時代。今の子供たちよりも幸せな青春時代だったかもしれない。 | [投票(6)] |
★3 | 青春の門 自立篇(1977/日) | アメリカかぶれの資本家令嬢と左翼演劇学生。任侠心を引きずるヤクザ。価値が錯綜する戦後復興期の人間模様が鍵なのだが、どれもいまひとつ魅力に乏しい。唯一、インテリ娼婦いしだあゆみと体育教師高橋悦史が互いの死臭を嗅ぎあう一夜に凄みが漂う。 | [投票] |