★3 | ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌(2008/日) | 前回より「大人」を意識したつくりに頑張りは認められるが、そもそも作り手の中の「ドラマチック」の定義が妙に低い位置にあるため、提示したテーマや事件、キャラクターへの「後始末」がほとんどできていない。無理した背伸びもいいが、身の丈を考えた作品のほうがこの人たちに合っているのではないか。正直、緒形拳のみを楽しみにしていった身にはキツイ出来でした。 | [投票(1)] |
★4 | 突入せよ! 「あさま山荘」事件(2002/日) | 傍観者として事件を描くよりも警察側の視点に執着したのは正解。統制どころか考えも方法論も異なる人々のメンツや思惑が入り乱れるも、それでも事件解決という部分に一気に集約していく展開が巧い。人間って愚かだけど信用し続けたい、鑑賞後にそんな気持が溢れ出る。渋い脇役たちの好演が光った。 [review] | [投票(1)] |
★5 | のぼうの城(2011/日) | 狂言は庶民芸能であり、喜劇だけで形成されている。本作は長親に振り回される側近たちがまさに狂言の様で、主役に野村萬斎を持ってきたのは大正解であろう。野村の外連味たっぷりの演技と時折見せるするどい目は、かくやつ何を思うておろうかと観客さえも攪乱する。字幕を見なければわからない口語と現代風会話の丁々発止、農民も圧制されておらず生き生き描かれる緩急の妙。傑作。 | [投票] |