| ★5 | 沈まない三つの家(2013/日) | 傷ついた魂、三つが彷徨する軌跡とその救済の物語。監督ならではの下ネタを挟みながらも、三人は不器用ながらも動き、自分の向かいたいベクトルへと移動しようとする。その経過は愛おしさを誘い、哀しみをも招いてやまない。平易で子供でも理解できるような語り口に隠された暗喩の跳梁も痛快に効いてくる。なんとテクニシャンな変態野郎か、中野量太という男は。 | [投票] |
| ★4 | チチを撮りに(2012/日) | ここにもさまざまなメタファーが陰に陽に現れている。父親を表す代替物のひとつとしての「マグロ」は爽快なエピソードを演出してくれることは置いておいて、もうひとつの品である「タバコ」は雄弁だ。これは月並みだがフロイト流解釈としての男根とみていいのだろう。オトコでありオトナだ。 [review] | [投票] |
| ★4 | お兄チャンは戦場に行った!?(2013/日) | まずヒロインの兄の狂態が描かれ、嫌悪感が押し寄せてきた状態で物語は開始される。だが、観続けるうちにこの兄のペースにすっかりはまってしまい、彼は妹にとってのヒーローに成り得る存在だと悟らされる。変質者の味方・中野量太の面目躍如であり、妹への羞恥プレイもご愛敬。やはり中野を語るに無視できない一編だ。 | [投票] |
| ★4 | 湯を沸かすほどの熱い愛(2016/日) | 女だけが咲き誇る世界。これもまたファンタジーだろう。エネルギッシュに男子供を奮い立たせ、自ら矢面に立つ宮沢りえの年増ぶりはオジサンたちを魅了してやまなかろうが、そういう彼女を演出するのはほかならぬ中野量太の女性観だ。彼の脳内宮沢が、
ヒロインに愛を振りまかせ、母性本能に飢えた哀れな男たちに随喜の涙を流させるのだ。そのために [review] | [投票(2)] |
| ★4 | 長いお別れ(2019/日) | これまでの中野量太作品の集大成ともいうべき、明朗でしたたかな女たちのホームドラマ。自分も含めた家族介護経験者には悪夢のような展開を、あくまでポジティブに染め変える蒼井優らの自身を信ずる力は悲劇を軽やかに飛び越える。あくまでユーモラスに年月を切り取り、爽やかな印象を残す中野演出は信頼に値する。 | [投票] |
| ★5 | 琥珀色のキラキラ(2008/日) | 尿と人骨の物語る抒情詩である。基本的に男の妄想で押しまくる中野量太にとって、モチーフの尾籠さや、真剣なテーマを塗り替えてしまうような突飛さは問題ではない。横溢する若さの成せる業なのだ。そしてミニマムな舞台を得て描かれるアクトは、初々しいばかりのエロティックな効果を少女の行動にもたらす。 [review] | [投票] |