★4 | 乞食大将(1952/日) | 戦中にあって己を貫く又兵衛(市川右太衛門)の表情の豊かさがなんとも魅力的であり、部下のみが財産の裸一貫で美意識に殉じ、仇すらも魅了する彼の爽やかさに惹かれる。実にユーモラスで爽快な中編。 | [投票] |
★4 | 眠狂四郎魔性剣(1965/日) | 狂四郎が珍しく人情を見せる。やっぱり人よりすぐれて非人情でニヒルな狂四郎を期待する向きには、ちょっとばかり拍子抜けかも。でも安心、何の脈絡もない黒ミサの儀式、毒蛇使いの刺客、風魔一族の末裔と名乗る尼僧の誘惑など、しっかり猟奇趣味な狂四郎ワールドです(ほんとのテーマは「武士道に生きることのバカバカしさ」なのでしょうが…)。 | [投票] |
★3 | 狐の呉れた赤ん坊(1945/日) | 話のつくりはオーソドキシーに徹するも良くできてはいるが、阪妻と息子の心の触れ合いが今観ると淡白で些か物足りない。もっと実の親子より強い絆を見せられなかったものだろうか?もっとも、暴れ者阪妻のエモーショナルな演技は絶品ではある。確信的に下品であり、なおかつ心底から湧き上がる感情の発露は賞賛に値する。それだけに予定調和は辛い。 | [投票(2)] |
★3 | 眠狂四郎殺法帖(1963/日) | まだまだ雷蔵、お喋りの度が過ぎる。中村玉緒の熱演、富三郎のクールさに較べれば役の完成に至っておらず。ニヒルになってゆくのはこれからか。 | [投票(3)] |