神谷浩史の映画ファンのコメント
凪待ち(2018/日) |
日本のミニアチュールのような漁村のなかで戸惑う、誘惑に弱い一介のろくでなし。決して周囲の人間を信じぬわけではなく、良かれ悪しかれ信じすぎて悪運を呼び寄せる。だが、性善説に裏打ちされた物語世界は時に優しい。信ずることは裏切りとの背中合わせと達観する考えもあるが、やはり論理ぬきの信頼は疑似家族を束ねられるまでには有効なのだ。 (水那岐) | [投票(1)] | |
全篇を遍く覆う居た堪れなさが日常をマイナス転化させるインケツ連鎖。何の言い訳もできぬダメ男に寄り添うほど映画の視点は甘くはないが、それでも彼を必要としてくれる人はいるのだ。正念場の審議が覆る展開も90度傾斜のカメラもベタを確信的に押し通す。 (けにろん) | [投票(1)] |