★5 | 恋人たちは濡れた(1973/日) | 逃げるという行為は行き場があってこそ成立する。しかし大方の逃避は、過去を否定することで未来までも失うという矛盾に気づかずになされる。「今」しか持たない男(大江徹)が迷い込んだ空回り回路に、女(絵沢萌子・中川梨絵)たちも誘い込まれる。 | [投票(2)] |
★2 | 人の砂漠(2010/日) | 新人監督に完成度など期待しない。どうしても欠かせないのはただ一点、既成からの突出。演出テイストもさること、4作とも孤立した住居を起点に、軽トラやワゴン車に自転車といった車両が唯一の動線で、警察が敵対的権威という基本構成のステロタイプぶりに唖然。 | [投票(1)] |
★2 | 湯殿山麓呪い村(1984/日) | 遅々として展開しない脚本。場違いな林光の音楽。脇の甘いキャスト。池田敏春監督には、もっと良い条件でメジャー作品を撮って欲しかった。角川の呪縛か。・・・大好きな中川梨絵さんに免じて、贔屓の引き倒しの2点。 | [投票(1)] |
★2 | 歌麿・夢と知りせば(1977/日) | 絢爛さと猥雑さが同居する江戸の町、短く切り刻まれる男女の絡み、逆光ローアングルの殺陣シーンなど実相寺カラー絶好調なのだが、それを一本調子で2時間20分も見せられるとさすがに疲れる。でも中川梨絵の花魁姿は必見。 | [投票(1)] |
★3 | 愛欲の罠(1973/日) | まず書き留めねばならないのは、24歳の中川梨絵さん(もっと出番が欲しい)が超可愛いということ! なのに今回は脱がないということ! そして後ろ姿の着衣のお尻フリフリだけで本人と分かる34歳の絵沢萌子さんも、化粧のしようによっては美人だということ。
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★5 | ラブホテル(1985/日) | 裏町の石段を下ったどん底に、男がひとり。吸い寄せられるように、石段を降りた女がふたり。三人が見てきたのは地獄。桜吹雪に香るのは修羅の春。ラストシーンは絶品。 | [投票(6)] |
★4 | 竜馬暗殺(1974/日) | モノクロームの中に充満する男(原田)と女(中川)の、そして男(原田)と男(石橋)のエロティシズム。それは、死と隣り合わせでいながら生きることを強いられる若者たちが必然的に放つ体臭だ。だから右太(松田)は、同じ臭いの前で犬のようにたじろぐのだ。 | [投票(2)] |
★3 | 花弁のしずく(1972/日) | 基本はメロドラマでありながら、中川梨絵の丁寧で生真面目な熱演(いささか古臭い芝居だが)で文芸ものの風格が漂う。心象ショットやシュールな音(声)の処理に、後に奇才ぶりを発揮する新鋭監督田中登の片鱗と意気込みが見える初期ロマンポルの快作。
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★4 | (秘)女郎責め地獄(1973/日) | 死の臭いを放つ女が、望みと諦めの間を揺れ動くさまを中川梨絵は声で演じ分ける。時に低く唸るように、時に微かに囁くように、そして甲高く嘲るように。これだけの女優が、スクリーンを去って久しいのは日本映画にとって大損失。
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★4 | 女地獄 森は濡れた(1973/日) | 山中の館の闇に、そして男の背徳に依存しながら生きる女・中川梨絵。シーンごとに変わる口調と声のトーンに精神の不安定さがにじみ出る。不気味な好演。 | [投票(1)] |