★4 | 任侠ヘルパー(2012/日) | ドラマの延長上に出来上がるTV局製のどうしようもない代物になりそうなところを、ここでも西谷弘はその演出手腕のみでどうにか「映画」として認められるところまで持ち上げていく。今の日本映画が特に必要としているのは、このように見事な演出的努力ができ、かつ、致命傷にならない程度に妥協できる強かさを併せ持つ、職人監督ではないか。カットが割られるべきところで割られ、スムーズに進行していくことの有難味。 | [投票] |
★4 | クローズ ZERO II(2009/日) | 喧嘩なぞ所詮暇な学生の「遊び」であって大人にはもはや関係ない代物なのだが、だからこそ、学生たちがたかが「遊び」に過ぎない喧嘩に全力を注ぐ様は、映画の虚構性とも通底して青春映画としての強度を高める。 [review] | [投票] |
★4 | カミュなんて知らない(2005/日) | ラストに至ってそれまでの数多い映画への言及、技法の参照が、現実と虚構の狭間を垣間見せるため周到に設計されたものと分かり、思わず手を打った。不自然に動くカメラワークも観客の「視点」を意識させるためのものか。良い場面・良い演出がたくさんある。全編に渡り、風が吹いているのもいい。 | [投票] |