[あらすじ] 秋のソナタ(1978/スウェーデン)
やがて母は車を走らせ、やって来た。再会を、どこか芝居がかったように喜ぶ二人。次の公演のための楽譜をいっぱい詰めた鞄を二階に運び、やがて愛人がいかに死を迎えたか語る母シャロッテ(イングリッド・バーグマン)。
しみじみと語り終え、ゆっくりしようとした矢先、「ヘレナが家にいるのよ」、出し抜けに切り出す娘エヴァ(リヴ・ウルマン)。
すると、みるみる顔を曇らせた母は言う「手紙に書いて欲しかったわ」。娘は平静を保って言う「書いてたら、来なかったでしょ」…ヘレナとは一体誰なのか…。
■見どころ
全部で92分の作品だが、ちょうど中盤を過ぎたころ(48分くらい)から、母と娘だけの会話劇となるが、このダイアローグが、まるでボクシングのように凄まじい。二度ほど中断が入るが、それを除いてもなんと35分ほど続く。
すでに「母」になった方、これから「母」になる方、どちらにせよ「娘」だった女性の方、必見…かも。(責任は負えません。)
男性の方は…ただただ固唾を飲んで見守るべし。
■解説
「親子の争いを描いた映画は多いが、母と娘の対立を扱ったものはない」ことを思いついた孤高の人イングマール・ベルイマンの1978年の作品。
母シャロッテを演じたバーグマンは、撮影前から既にガンに冒されていたが、病を押して出演、そしてこの『秋のソナタ』での自分の演技に満足した彼女は「これを最後の映画にしたい」と宣言、実際その通りこれが彼女の遺作となった。
一般的な批評家の間では、娘を演じたウルマンの方が評価が高いが、バーグマンは本作でアカデミー主演女優賞候補に挙がり、またNY批評家協会賞では三度目の主演女優賞を受賞している(ベルイマンは脚本賞)。作品はゴールデン・グローブで外国映画賞受賞。
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