直人さんのお気に入りPOV
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男はつらいよ 寅次郎恋路の旅 | ご存知のように『男はつらいよ』のフーテンの寅こと車寅次郎は、1969年から26年間に渡り44人(48作)の女性に惚れ所帯を持つことを夢見るのだが、ついにその恋を成就させることはなかった。寅はいかにして女たちと知り合い、そして寅が心を寄せた女たちはいったいどんな女だったのか。・・・・まず知り合うきっかけだが地縁・知人関係が上げられる。第一作の御前様の娘光本幸子に始まり、小学校の恩師の娘佐藤オリエ、さらに幼馴染八千草薫、同級生の妹岸恵子など初期は帝釈天まわりで固め、中期ではその傾向は満男の担任の母京マチ子にまでも及ぶ。また知人関係ではテキヤ仲間の未亡人音無美紀子や旧友の娘伊藤蘭、志穂美悦子がいる。次に旅先でさらりと声をかける、いわばソフトナンパという手法がある。この手で寅は、OL吉永小百合、芸者松坂慶子、クラブ歌手浅丘ルリ子から、大物演歌歌手都はるみにまで接近をはかる。見習いたいのもである。最もポピュラーだと思われるのが、野暮用で訪れた先に偶然美人がいるというパターン。初期の旅館の女将新珠三千代から殿様の娘真野響子、寺の娘竹下景子、後期の理髪店の女主人風吹ジュンまでその数は限りなく、気に入るとその家に居座り連泊するという傾向がみらる。出会いに関してはバリエーションは見られるが、おおよそこのいずれかの中に当てはまる。それでは、寅はどんな女に惚れるのか。境遇でいえば未亡人や離婚女性(A)は妥当なところだが、別居中・夫婦不仲(B)といったともすればひと悶着ありそうな身の上の女性も結構いる。一人娘や婚期遅れの女性(C)は良いとして、数は少ないがちょっとまずいのではと思えるほど若い娘(D)もいる。タイプ別ではインテリ・キャリア系(E)、反対に寅と境遇の似たさすらい系(F)、水商売・客商売系(G)、そしていわゆるフツーの娘さん(H)に大別される。 | ぽんしゅう | |
若尾文子〜美は乱調にあり | 1990年、フランスの「ナント映画際」で「若尾特集」が催された時、ゲストとして招かれた若尾文子は、当地の人々の余りの歓迎振りに「ただ呆然とした」という。なぜなら、日本での彼女は(一部の評論家&マニアを除いて)ほとんど忘れられた存在であったからだ。それから10年後、埋もれかけた若尾文子は本国でも発見される。単なる「女優」としてではなく、今後益々「リアル」になっていく「女」の一人として。そしてまた、現代にあって本当に「肯定できるもの」を捜し求める一人の「人間」として。そんな彼女への「感謝」の気持ちを込めたささやかなPOV。ABCは映画の出来ではなく、スクリーン上における彼女の存在感&魅力に対する評価です。 | 若尾好き |