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[コメント] あずみ(2003/日)

この緊迫感のなさは何なんだ?
すやすや

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まあ、アクションシーンに関しては、イロイロ突っこみどころはあるが、何も考えないで、殺陣師のいうこと聞いて既成の殺陣にしなかっただけでも見所はあるだろう。後は好みの問題か。

しかし、この映画の最大の欠点はアクションシーンに登り詰めるための前戯にさっぱり緊迫感のないことである。

原作がそうだから、というのもあるかもしれないが、冒頭から親と生き別れたあずみのシーンから始まるのは真剣に映画としての構成を考えたとは到底思えない。

それに続くシーンが、冒頭の「オレ様のアクションシーンを見ろ!」が仲間達との訓練シーンなわけだが、最後に仲間とワイワイやるもんだからまるで悲壮感も緊張感もない…。

そして最大の説得力のないシーンが仲間と斬り合うシーン。 原作がどうだか知らないが、「斬り合いをしろ、それが使命だ」と言われて、長年苦楽を共にした仲間と、さっさと斬り合うバカはいない。

当然、「斬るか、斬らないか、それとも逃げるか」などの葛藤があるはずである。それがどうしたことか、揃いも揃ってみんな、さっさと斬り合ってしまう…。 『バトルロワイヤル』は、その点を徹底的にルールで締め付けることによって登場人物と観客を追い込むわけだが、この映画にその要素に対するケアは全くない。

よって観客は、のっぱらでキーキー騒いで斬り合うガキンチョの殺陣を何の緊張感もなく見せられてしまうわけである。『バトルロワイヤル』は逆にそのキーキー騒いで戦いになってないのが、さらに説得力を増した訳だが…。

ここでの演出の失敗が、映画全体の雰囲気をノーテンキにしている。 岡本綾周りのエピソードもとってつけたような印象しかないのはそのためだ。

最後に残りのあずみが残りの武将を殺すことを誓って終わるわけだが、観客にこの心情は全く理解できない。そもそも、使命なんてなければ、いろいろな人が死なずにすんだのに …。これじゃ、殺し好きのキチガイ女だよ…。

他のコメンテーターのいうとおり、アクションシーン以外に興味のない監督の限界点を見たような気もしますが。

ところで、岡本綾の乳をあらわにするなら徹底的にやれ!中途半端じゃ衝撃度がないぞ!!

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)わっこ[*] peacefullife[*] おーい粗茶[*] aisha[*] 死ぬまでシネマ[*]

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