[コメント] 12人の優しい日本人(1991/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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脚本5点、演出1点(マイナス点を付けたいくらいだ)。よって3点。 (本当は4点あげてもいいんだけど、私の採点がインフレ気味なので自重して辛目)
中原俊よ。『櫻の園』も『コキーユ』もBestな原作をBadな映画にする才能は日本一だ(特に『櫻の園』は原作に対する個人的思い入れが激しいだけに腹立たしい事この上ない。中原ファンの方ごめんなさい)。
とにかくこの映画、話が思わぬ方向に転がりだすまでの1時間、退屈でしかたがない。ビデオで観たのだが、途中で止めたりして3時間はかかった。本当の事を言うと最初の10分で嫌気がさして、何度かチャレンジしたが、初見から全部観るまで3年くらいかかっている。
三谷幸喜自身、(この映画とは言わなかったが)「テンポとか間とか思い通りに演出されていない」と語っていた。だから自らメガホンをとったのだそうだ。 三宅裕司もコントの演出について似たような事を語っていたことがある。舞台だったらオーバーアクトと勢いでいける内容でも、画面が限定される映画ではそうはいかない。笑いをとる演出というのは難しいのだ。
「あ〜、俺だったら、いろんな人がいろんな事を言い出してる所は、流れるようなカメラワークで見せたいな〜」
そんな想いが初監督『ラヂオの時間』冒頭のワンカット長回しにつながったに違いない。と勝手に断言する。
閑話休題
『十二人の怒れる男』との比較ウンヌンあるだろうが、『サイコ』と『メル・ブルックス 新サイコ』を比較してもしかたがない。しかし、この脚本は実によく出来ていて、細部に至るまでオリジナルをパロっているのである。挙げればきりがないが、例えば、見間違えの証言が聞き間違えになっていたり、歩いてどのくらい時間がかかるか?が走ってどのくらいかかるか?に変わっていたり、親子物が夫婦物になっていたり・・・。
もちろんこの映画単体でも楽しめるのだが、オリジナルを知っていれば更に楽しめる(トイレに入っただけでニヤニヤ笑ってしまった)。切っても切り離せない関係という意味で『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』と同じだ。(そうか?)
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