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[コメント] 櫻の園(1990/日)

モラトリアムなウダウダ感とウラハラに、この瞬間が二度と来ないことへの自覚も表現されている。丹念できめ細かい演出に感心した。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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大事な大事な本番当日だというに、しかも上演中止にならんかとしているというに、てんで勝手に緊張感もなくキャッキャしてるようにみえる。それでいて意外とちゃんと集団行動できてたりもする。男の立場からすると、こういうところにこそ「女子」を感じる。

志水さんの持ってきたサンドイッチを城丸さんと分け合う場面とか、何気ない会話の中で志水さんの倉田さんへの好意を杉山さんがズバリ指摘する場面とか、男子の世界では絶対ありえないわけですよ。そういった男の目に映る「女子」的な要素が丁寧に散りばめられ、「世界」が構築されていることに感心してしまう。

確かに最後の「わたし倉田さんが好き」という記念撮影のシーンには正直引いてしまうんだけど、それまで90分かけて創り上げられた「世界」がなかったとしたら、もっとドン引きしてたと思う。

(評価:★4)

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