[コメント] 怒りの河(1952/米)
山越えシーン以降がすばらしい。それは「山」が地表の起伏・茂み・川・土埃・岩肌・雪といった画面造型上のアドバンテージを多く備えているからでもあるのだが、アンソニー・マンの演出自体が冴えを見せてくるのも山越えシーンを迎えてからだ。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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たとえばアーサー・ケネディがならず者の構える銃を叩き落すときに、その勢いで銃口が火を噴くという思わず瞠目してしまう演出。川での銃撃戦や取っ組み合いも見応えがある。圧巻なのは袋叩きに遭ったジェームズ・スチュアートが裏切ったケネディ含むならず者たちを追い込む夜間シーンだろう。スチュアートはまるで幽霊のごとき「姿なき者」となってならず者たちをひとりひとり始末していくのだが、これがオフで響くライフルの音だけで演出されているのだ。画面の暗さとケネディらの狼狽ぶりもあって、もうほとんど恐怖映画のノリ。いやあ面白い。
私がステッピン・フェチットにお目にかかったフォード監督作以外の映画は今のところこれだけ。やっぱりあの声とキャラクタで、つい嬉しくなってしまった。
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