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[コメント] ロリータ(1962/英)

少女の心を何とか繋ぎ止めようとする男の姿が痛ましい。だが、気軽に金で少女の身体を買えるようになった親爺たちに比べれば、彼の真摯な態度は立派かもしれない。
sawa:38

この作品、天下のキューブリックという高級ブランドがついていながら、もうひとつ話題に上がってこない作品になっている。ファンとしては凡人たちには理解出来ないような「難解さ」が足りなかったのか?なんて皮肉を言ってみたりする・・・

この作品、状況証拠ばかりで動機が不明。だからストーリーは面白いにも関わらず底が浅い。肝心なのは男が少女にのめり込んでいく過程であり、少女の魔力から抜け出せなくなっていく過程じゃないのだろうか?

大人の女には無い少女しか持ち得ない小悪魔的な魅力が伝わってはこなかった。この恋愛にあって劣勢にある男は必然的に隷属的な奉仕をするしかない。男が少女の脚の指にペデェキュアを塗ってやるシーンがそれを象徴しているが、男が少女に媚び、哀願するようなそんなシーンがあっても良かったのではないか?

通常の恋愛関係とはひどく異なった関係である。だからこそ、その動機と堕ちていく過程はドラマティックである。じっくりと描けば途方もない作品に仕上がるはずだろう。あっさりとしたコメディー風の作品でなくもっと違った作品にするだけの力量のある監督だけにとても残念な後味が残った。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)りかちゅ[*] おーい粗茶[*] 水那岐[*]

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